全国駐車場整備状況調査2014

当協会では、例年、継続的なデータ収集の一環として、国土交通省都市局街路交通施設課の調査データをもとに公益社団法人立体駐車場工業会が印刷・発行してきた「自動車駐車場年報」の一部を抜粋して掲載を行ってきましたが、今回よりこの調査データが国土交通省のホームページ(駐車場政策担当者会議)に掲載されることになりましたので、お知らせいたします。

また、今回の調査では、前年度比較の他、平成19年度末~平成24年度末(過去5年間)の数値及び調査が開始された昭和30年代からの数値を確認するとともに、各駐車場における駐車台数の推移から全国の駐車場整備状況の動向を把握することといたしました。

平成24年度末と平成23年度末の比較

駐車場整備状況平成24-23

駐車場整備状況(全国)
(月極駐車場、住宅の車庫、小規模路外駐車場(500㎡)等を除く)

平成24年度末と平成19年度末の比較

駐車場整備状況平成24-19

駐車場整備状況(全国)
(月極駐車場、住宅の車庫、小規模路外駐車場(500㎡)等を除く)

平成19年度末~平成24年度末(過去5年間)の推移をみてみると、都市計画駐車場の駐車台数は、3年連続で若干減少傾向にあり、平成24年度末、約119千台分が整備されています。届出駐車場と附置義務駐車場の駐車台数は、毎年増加を続け、届出駐車場では平成24年度末、約1,664千台分、附置義務駐車場では、平成24年度末、約2,949千台分が整備されています。路上駐車場の駐車台数は、4年連続で減少しており、平成24年度末、約775台分が整備されています。駐車場総共用台数(上記4つの駐車場における駐車台数の計)は、届出駐車場と附置義務駐車場の増加により、平成19年度末の約4,035千台に対し、平成24年度末は約4,733千台分が整備されています。

自動車保有台数(二輪を除く)は、若者の車離れ等の要因により、平成19年度末~平成22年度末に減少に転じましたが、平成19年度末の約75,625千台に対し、平成24年度末は約76,089千台となっています。因みに警察庁「運転免許統計」より国土交通省が作成したデータによると、若者の運転免許の保有率は、他の年齢層の保有率の上昇に対し減少傾向にあり、全国の年代別の運転免許保有率をみると、20歳未満は平成3年の19.6%に対し平成23年は16.4%、20代は平成3年の84.8%に対し平成23年は81.8%と若者の運転免許保有率が減少しています。この傾向は特に東京都において顕著であり、20代では平成3年に74.2%であった保有率が平成23年には63.5%まで減少しています。

自動車1万台当たりの駐車台数は、増減率上、自動車保有台数(二輪を除く)が微増に留まっている半面、届出駐車場と附置義務駐車場の駐車台数が増加したことにより、平成19年度末の533.6台に対し、平成24年度末は622.1台と増加しています。

平成24年度末と昭和34年度末の比較

駐車場整備状況平成24-昭和34

駐車場整備状況(全国)
(月極駐車場、住宅の車庫、小規模路外駐車場(500㎡)等を除く)

また、昭和34年度末~平成24年度末の長期の期間でそれぞれの推移を見てみると、都市計画駐車場の駐車台数は、昭和34年度末~昭和50年度末及び昭和52年度末~平成15年度末迄増加を続け、平成16年度末以降、減少もしくは横ばいの傾向となっています。届出駐車場と附置義務駐車場の駐車台数は昭和35年度末以降長期間に亘り継続的に増加しています。路上駐車場の駐車台数は、昭和35年度末以降、増加または減少を繰り返し近年総じて減少傾向にあります。駐車場総共用台数(上記4つの駐車場における駐車台数の計)は、届出駐車場と附置義務駐車場の駐車台数の増加により、昭和34年度末以降長期間に亘り継続的に増加しています。自動車保有台数(二輪を除く)は、昭和34年度末以降平成18年度末迄増加を続け、平成19年度末~平成22年度末に減少に転じたものの近年増加傾向にあります。自動車1万台当たりの駐車台数は、昭和43年度末以降昭和52年度末と昭和62年度末を除いて、駐車場総共用台数(上記4つの駐車場における駐車台数の計)の増加率(昭和34年度に対し平成24年度末は558.19倍)が自動車保有台数(二輪を除く)の増加率(昭和34年度に対し平成24年度末は40.93倍)を上回り続けていることから長期間に亘り継続的に増加しています。結果として昭和34年度末~平成24年度末と平成19年度末~平成24年度末(過去5年間)の傾向をみるといずれも同一の傾向にあることが分かりました。

また一方、上記の4つの駐車場に該当しない自動車の駐車の用に供する部分の面積が500㎡未満の駐車場(届出駐車場以外の駐車場)についても確認を行いました。一般社団法人日本パーキングビジネス協会が札幌、仙台、東京、神奈川、埼玉、千葉、名古屋、京都、大阪、兵庫(神戸と西宮)、広島、四国(高松と松山)、福岡の13地域の都市部において、「平成19年と平成23年のコイン式駐車場(コインパーキング)の箇所数と車室の推移」を調査した結果、500㎡未満の箇所数は平成19年の約32,000に対し、平成23年は約40,000と約1.25倍の増加、車室数は平成19年の約360,000に対し、約430,000と約1.19倍の増加となっています。このような数値からも全国の駐車場の駐車台数は、前述した駐車場総共用台数(上記4つの駐車場における駐車台数の計)よりさらに大きな数値になっていることが推測されます。

◇ 調査対象 ◇

集計の対象となっている駐車場は、主として「都市計画駐車場」、「届出駐車場」、「附置義務駐車施設」及び「路上駐車場」であり、それ以外の駐車施設(例えば、月極駐車場、住宅の車庫、小規模の路外駐車場等)は含まれていません。各駐車場の説明は次の通りです。

⑴路外駐車場

道路の路面外に設置される自動車の駐車のための施設であって、一般公共の用に供されるものをいう。路外駐車場のうち、自動車の駐車の用に供する部分の面積が500㎡以上であるものの構造及び設備は、建築基準法その他の法令がある場合にはそれらの法令の規定によるほか、駐車場法施行令に定める技術的な基準によらなければならない。

・都市計画駐車場

都市計画上必要な位置に適正な規模で永続的に確保され、またその対象とする駐車需要が広く一般公共の用に供すべき基幹的なものであり、都市計画に定められた路外駐車場をいう。都市の計画的整備及び市街地再開発を進めてゆく上で、基幹的な都市施設としてその役割は大いに期待されるものである。

・届出駐車場

都市計画区域内において、自動車の駐車の用に供する部分の面積が500㎡以上の路外駐車場を設置し、その利用について駐車料金を徴収するものは、国土交通省令で定めるところにより、路外駐車場の位置・規模その他の必要な事項を都道府県に届けなければならない。このような駐車場を届出駐車場という。

・附置義務駐車施設

地方公共団体は、駐車場整備地区内等において、一定規模以上の延床面積をもつ建築物を新築・増築するものに対して、条例でその建築物又はその建築物の敷地内に自動車の駐車のための施設を設けなければならない旨を定めることができる。この条例に基づき整備される駐車施設を附置義務駐車施設という。

⑵路上駐車場

駐車場整備地区内の道路の路面に一定の区画を限って設置される自動車のための施設であって、一般公共の用に供するものをいう。路上駐車場の目的は、当該地区内にある路外駐車場によっては満たされない自動車の駐車需要に応じるため、必要な路外駐車場の整備がなされるまでの間の暫定措置として、道路の路面を使用する形で設置されるものである。従って、当該地区において都市計画において定められた路外駐車場が整備されるに応じて、逐次路上駐車場は廃止するものである。