全国駐車場整備状況調査2015
当協会では、例年継続的なデータ収集の一環として「自動車駐車場年報」(国土交通省都市局街路交通施設課発表)の一部を抜粋して全国の駐車場整備状況の把握を行っております。
平成25年度末は、平成24年度末に対し、都市計画駐車場と届出駐車場の台数がそれぞれ若干減少したが、附置義務駐車場の台数が増加したため、駐車場総共用台数は若干増加した。自動車1万台当たりの駐車台数は、駐車場総共用台数の増加率が自動車保有台数(二輪を除く)の増加率を僅かに上回るに留まり、平成24年度末に対し0.9台増加の623台であった。
駐車場整備状況(全国)の調査は、昭和33年度より行われているが、届出駐車場の台数が前年度の数値を下回ることは調査開始以来初めてであり、また都市計画駐車場の台数も4年連続で減少している。自動車1万台当たりの駐車台数は、前年度とほぼ同様の数値であり、昭和63年度以降最も増加率が低調であった。月極駐車場・住宅の車庫・小規模路外駐車場(500㎡)等を除いた上記の集計数値によると、駐車場整備状況は低調に推移したものと推測される。
本号第206号において、平成24年度末と平成19年度末の比較、平成24年度末と昭和34年度末の比較を行い、各期間における駐車台数の推移から駐車場整備状況の動向把握を行っておりますので、併せてご参照ください。
◇ 調査対象 ◇
集計の対象となっている駐車場は、主として「都市計画駐車場」、「届出駐車場」、「附置義務駐車施設」及び「路上駐車場」であり、それ以外の駐車施設(例えば、月極駐車場、住宅の車庫、小規模の路外駐車場等)は含まれていない。各駐車場の説明は次の通り。
⑴路外駐車場
道路の路面外に設置される自動車の駐車のための施設であって、一般公共の用に供されるものをいう。路外駐車場のうち、自動車の駐車の用に供する部分の面積が500㎡以上であるものの構造及び設備は、建築基準法その他の法令がある場合にはそれらの法令の規定によるほか、駐車場法施行令に定める技術的な基準によらなければならない。
・都市計画駐車場
都市計画上必要な位置に適正な規模で永続的に確保され、またその対象とする駐車需要が広く一般公共の用に供すべき基幹的なものであり、都市計画に定められた路外駐車場をいう。都市の計画的整備及び市街地再開発を進めてゆく上で、基幹的な都市施設としてその役割は大いに期待されるものである。
・届出駐車場
都市計画区域内において、自動車の駐車の用に供する部分の面積が500㎡以上の路外駐車場を設置し、その利用について駐車料金を徴収するものは、国土交通省令で定めるところにより、路外駐車場の位置・規模その他の必要な事項を都道府県に届けなければならない。このような駐車場を届出駐車場という。
・附置義務駐車施設
地方公共団体は、駐車場整備地区内等において、一定規模以上の延床面積をもつ建築物を新築・増築するものに対して、条例でその建築物又はその建築物の敷地内に自動車の駐車のための施設を設けなければならない旨を定めることができる。この条例に基づき整備される駐車施設を附置義務駐車施設という。
⑵路上駐車場
駐車場整備地区内の道路の路面に一定の区画を限って設置される自動車のための施設であって、一般公共の用に供するものをいう。
路上駐車場の目的は、当該地区内にある路外駐車場によっては満たされない自動車の駐車需要に応じるため、必要な路外駐車場の整備がなされるまでの間の暫定措置として、道路の路面を使用する形で設置されるものである。従って、当該地区において都市計画において定められた路外駐車場が整備されるに応じて、逐次路上駐車場は廃止するものである。