情報発信「アンテナ」(第4回)
情報発信アンテナ(第4回)
「akippa株式会社の駐車場事業について」
~予約・キャッシュレスから
モビリティープラットフォーマーに~
駐車場事業では、情報通信技術を駆使して駐車場サービスを効果的に行うプレーヤーが活躍して
います。自動車業界は百年に一度の大変革期を迎えつつあるといわれ、いわゆるCASEということで、
自動運転、シェアサービス、EVといった話題が日々報じられており、移動サービスとしてのMaaSも
注目され、自動車を含むモビリティがその中に組み込まれていく勢いです。
このように環境下にあって、駐車場事業が、そして駐車場事業者が、これからどのように変わって
いくことになるかを予測することは簡単なことではありません。
今後の駐車場事業のあり方を考える上で、今回は、「予約」「キャッシュレス」を軸に駐車場事業
に新たな風を吹き込んでいるakippa株式会社の代表取締役社長CEO金谷元気氏に、同社のこれまでの
事業経緯とこれからについて語ってもらいました。
(インタビュー:2020年5月15日 新型コロナウィルス感染防止のためテレビ会議にて
聞き手 善本信之(事務局))
~駐車場シェアリング事業の立ち上げと事業の拡大~
――貴社が駐車場事業を始めるようになったきっかけをお聞かせください。
金谷:駐車場予約アプリ「akippa」をスタートしたのは2014年4月ですが、会社の設立は2009年で
す。会社設立当初は携帯電話の法人向け販売やインターネット回線を販売する営業会社でした。
転機は2013年頃で、営業ばかりやっていて、営業数字以外が見えなくなってしまい、一方で、
お客様のクレームが大量に発生しました。自分たちの行っていることは世の中のためになって
いないのではないか、この会社のビジョンって何なのかと考えるようになりました。
何のために会社はあるのか、その存在意義を考え、
「世の中になくてはならないもの、困りごとを解決
したい」、という考えを持つようになりました。
当時のメンバーで「生活していて困ること」を
200個書き出してみました。その中に、ある女性社
員が書いたものに、「コインパーキングは現地に
行ってから「満車」だとわかるため困る」というも
のがありました。事前に満空はわかるが、空車だと
思って行ったら満車になっていた。駐車場にとめら
れずイベントに遅れてしまったということです。
もともと、 ITやスマートフォンでできることをやりたいと思っていましたので、それを活用し
て、この困りごとを解決するサービスを考えることにしました。
調べてみると、月極駐車場、マンション駐車場、個人宅駐車場などに空きが多いことが分かりま
した。その時の調査では約3割が空いていました。駐車でお困りのドライバーと空きが多くて困
っている駐車場オーナーという二つの困りごとをマッチングすることを考え、一日単位などで
予約できる仕組みを考えました。当社では、その思い「“なくてはならぬ”をつくる」を、今でも、
ミッション、普遍的に目指す姿として掲げています。
――立ち上げ以降、事業が順調に伸びているようですが、その辺についてお聞かせください。
何かきっかけになった要因はありますか。
金谷:事業を開始した2014年の取扱い駐車場は、累計で
1,000拠点程度でしたが、本年4月時点では35,000
拠点に拡大しています。愚直に積み上げてきたと
いう印象ですが、あえて言えばいくつかの段階が
ありました。最初は知名度がありませんから、自
転車で街を駆け回って月極駐車場を見つけては、
オーナーに電話して直接交渉をしていました。
1,000拠点くらいまではこのようなやり方です。
次の段階としてあげられるのが広報活動の効果で
す。駐車場シェアリングサービスとして、「がっちりマンデー」や「ガイアの夜明け」とい
ったテレビなどで取り上げてもらい、これによって、多くの方が個人宅の駐車場を提供して
くれるようになりました。これらを積み上げることによって、ある程度の売り上げ規模を実績
として示すことができるようになったことから、皆様方のような駐車場事業者の方にもお話を
聞いていただけるようになり、営業も進むようになりました。
――取り扱っている駐車場のエリア分布や駐車場オーナー別の割合について教えてください。
金谷:取扱いエリアは47都道府県全てになりましが、やはり関東1都3県、京阪神、名古屋と福岡が
多いですね。オーナー別の割合では、個人宅が1~2割程度で、その他は月極駐車場を含む駐車
場事業者で、大きな比率を占めています。
――現在拠点拡大にむけてどのような取り組みをされていますか。
金谷:昨年10月にSOMPOホールディングスさんと資本業務提携をしました。個人宅を中心にakippa
の駐車場 オーナーを開拓するために当社には約400社のパートナー制度がありますが、同社の
保険代理店に加わってもらう計画です。自動車保険の解約を一つのタイミングとして捉えてい
ます。車を手放している方が年に数十万人いるそうで、その方々の駐車場を提供してもらおう
ということです。保険代理店としても、自動車保険解約後もお客様との関係を維持でき、また、
駐車場収入の一部を手数料(駐車場収入の10%~18%)として受けることもできます。同社に
は約5万店の保険代理店網があるそうですから、今は新型コロナの関係で少し止まっています
が、これにより当社の駐車場拠点が全国的に広がることを期待しています。
――利用者、会員の伸びはいかがでしょうか。
金谷:取り扱っている駐車場拠点数の伸びにほぼ比例して
会員数も増えてきています。会員数が累計で180万
人になっています。売上げもほぼ会員数の増加に比
例する形で伸びてい ます。
――利用者の属性は?
金谷:男女比はほぼ半々で、年代別では35歳から44歳が最
も多く、次がその前後の年代ですが、55歳以上の
利用者も多く、幅広い年齢層に亘っています。
~akippaサービスが喜ばれているところ~
――利用者(ドライバー)に喜ばれている点について教えてください。
金谷:駐車場予約アプリakippaは、契約のない月極駐車場やマンションの駐車場などさまざまなスペー
スを15分単位もしくは1日単位で予約できます。利用者(ドライバー)のメリットは、スマート
フォン・パソコンで30日前から予約できること、キャッシュレスで決済ができるところ、また、
個人宅駐車場など、中には一部格安な駐車場も利用できるといったところでしょうか。やはり、
確実にとめられる安心感は大きく、多くの方にリピート利用してもらっています。この時期の特
殊事情かもしれませんが、新型コロナの感染防止のため、公共交通を避けてマイカー通勤・通学
をする方の場合、予約して確実にとめられるというのは、駐車場探しに手間取り遅刻してしまう
ことを避ける意味でも大事なことです。実際、この4月の通勤・通学目的の利用は今年の2月と比
べて新宿区で4倍、千代田区で3.5倍になっているようです。感染防止で現金を扱いたくないので
キャッシュレスで助かるという方もいるようです。
――駐車場オーナーに喜ばれている点について教えてください。
金谷:駐車場オーナーは、登録料・運用費・解約料・機器設置などの初期投資が一切かからずに参画し
て、駐車場収入を得られます。高齢者の場合、年金以外にこれまでは考えられなかった収入を得
て喜んでいる方もおられるようです。 また、365日24時間の緊急ダイヤルというサポート体制を
設けていることも安心につながっていると思います。この緊急ダイヤルでは、予約した場所に別
の車がとまっていた、車をぶつけて駐車場を破壊した、駐車場の場所がわからない、といったこ
とに対応しています。この6月から、損保ジャパンと駐車場オーナーを守る「駐車場シェア専用
保険」を開発し、オーナー所有の全駐車場に適用しますが、これもオーナー・ユーザー双方が安
心して駐車場シェアサービスを利用することにつながると考えています。とはいえ、実際にはこ
の保険の対象となるような当て逃げなどの事故は、ほとんど発生していません。
――月極駐車場のオーナーに喜ばれているところは?
金谷:例えば、幹線道路から奥まった月極駐車場をコインパーキングに転用しようとする場合、コイン
パーキング業者の審査を通らないことがあるようですが、akippaであればサービスを利用できる
ということで感謝されることがよくあります。これは、利用者(ドライバー)の集客方法の違い
かなと思います。akippaの場合、お客様が駐車場を検索する手段が、駐車場看板ではなく、スマ
ートフォン画面ですので、メインストリートから入ったところでも集客ができるメリットがあり
ます。また、月極駐車場のオーナーの中には、駐車場の一部をakippa駐車場とすることによっ
て、お客様の認知度が高まり、月極契約に結び付いたといった効果もあるとお聞きしています。
――時間貸しの駐車場事業者に喜ばれているところは?
金谷:時間貸しの駐車場事業者は、空いている車室に利用者を呼び込むツールとして様々な会社とお付
き合いさせていただいています。中には、駐車場オープン時にその駐車場の認知度を上げるため
に、akippaを利用する事業者もいらっしゃいます。当社の180万人の会員との接点を期待してい
るということでしょうか。また、会員制予約方式により得られる利用者データをつかみたいとい
ことで、akippaを利用する事業者もいらっしゃるようです。
~時間単位の予約サービスについて~
――駐車場の予約単位としては、日単位と時間(15分)単位がありますが、時間単位の導入状況は如何
ですか
金谷:取り扱っている駐車場の半分以上は時間(15分)単位の予約に対応しています。利用状況として
は、日単位の方が若干多いかなという程度で、時間(15分)単位の利用は増えてきています。空
車であれば即時予約での利用も可能です。
――予約時間を延長することはできるのですか
金谷:次の予約との間にバッファー時間を設けています。例えば2時間バッファーを設けている駐車場で
あれば、1時間30分まではスマートフォンで時間延長できるようになっています。万が一それを超
えてしまうような緊急事態が発生した場合には、コールセンターに連絡してもらうことにしていま
す。ほとんどそのようなことは発生していないのですが、そういった場合には、次に予約している
ユーザーさんにはその日の駐車料金を無料にし、予備の駐車場にとめてもらうなどの対応をしてい
ます。
~サッカークラブなどとの提携について~
――サッカー、バスケットボール、野球などスポーツクラブと連携して、周辺の交通渋滞や
駐車場問題の解決を図っているようですが、ご紹介ください。
金谷: V・ファーレン長崎の事例について説明します。当社が参画する前は、試合開催日には多くの来
場者が駐車場を目指して車で来られ、駐車場不足と幹線道路の渋滞が深刻化していました。駐車
場に入庫するのに4時間かかるとか、試合の日には周辺住民は車で移動できないという状況だっ
たようです。そこで、スタジアムにある駐車場1,400台すべてをakippaの予約制駐車場に変えま
した。予約している方以外は車をとめられないということになり、予約者以外の方が公共交通機
関で来場するようになりましたので、周辺の交通環境が改善し、スムーズに入庫できるようにな
りました。もちろん公共交通で来られるお客様に対する配慮はV ・ファーレン長崎がしっかり行
っているようです。
名古屋グランパスの例では、スタジアム周辺で駐車
場不足による違法駐車・迷惑駐車が発生していたた
め、当社とクラブ・市・地域・企業が協力して、試
合当日は市役所や小学校を当社の予約制駐車場にす
ることにより、駐車場問題の解決に取り組んでいま
す。
そのほかにもスポーツクラブとの連携を進めていま
して、全国13のサッカー、バスケットボール、野球、
フットサルの各クラブと連携して駐車場・交通対策
に取り組んできました。
~akippaの強み~
――貴社の強みはどんなところだと感じていらっしゃいますか
金谷:ソフト企画開発力を支える強力なメンバーが当社の強みだと考えています。当社には駐車場事業
会社出身者はほとんどいません。グーグル、楽天、グリー、DeNAなど名だたるIT企業出身の強力
なエンジニア、ITスペシャリストをそろえています。私のモットーは、自分たちより優秀な人を
採用することです。
――どのような開発を行ってきましたか。
金谷:2018年に開発した「シェアゲート」はその一つです
かね。これは無人のゲート式駐車場でもakippaの導
入を可能とするものです。入出庫の際に予約者に予
め付与した暗証番号でテンキーを操作することによ
り、ゲートバーを開閉するものです。当社はハード
は強くないので、そこの部分は外部企業と連携して
いますが、この仕組みの企画は自社で行っています。
昨年からは無人のチェーン式駐車場にも対応できる
ようになり、マンションなどの駐車場でも利用でき
るようになりました。もちろん、時間(15分)単位の予約駐車にも対応しています。テンキー
操作でなく、akippaアプリを開いていれば何の操作をしなくても自動でゲートを開閉することが
できる仕組みも備えています。
――予約アプリの改良も自社で行っているのですか。
金谷:そうですね。自社でアプリのアップデートをし続けて、操作性を改善したり、新たな機能を加え
たりしています。システム開発を自社のエンジニアで行うことによって、随分仕事の効率が上が
ってきていると感じています。
――駐車場利用データの活用も進んでいるようですが。
金谷:駐車場利用データなどを活用するシステムの開発も自社で行っています。例えば、駐車場オーナー
を開拓してもらっているパートナーの営業支援ツールを開発しています。過去に自らが開拓した
駐車場の売上実績はもちろん、どの場所でどの程度の稼働が見込めるかといった需要予測までで
きるもので、マーケティングメンバーと協力してシステム開発を行っています。
――駐車場利用データの活用ということでは、ダイナミックプライシングにも取り組まれているとの
ことですが。
金谷:その通りです。例えば、東京ドーム周辺の駐車場の場合、対戦カードによって駐車料金が違いま
す。観客動員数やその試合の意味といった情報を把握・分析し、需要に応じた価格変動を導入し、
オーナーの収益最大化を目指しています。こういった分野はAI活用に移行してきていますので、
自社テクノロジーを駆使できるというのは強みと言えます。人力で行っていたのでは、駐車場拠
点数が増えると限界があります。甲子園球場周辺でAIを活用して料金設定してみたりもしていま
す。今後の料金設定はAIメインにしていこうと考えています。
――駐車場事業者はあまり利用者データを持っていないのかもしれませんね。
金谷:当社は会員制かつ予約制の駐車サービスであるため、駐車場利用データを集めやすい仕組みにな
っていて、だれが、いつ、どれくらい、何の目的で利用しているか、この駐車場であれば適正な
料金はどの程度かなど、データを活用して分析できます。駐車場事業者の中には、売上アップと
いう目的以外に、利用者データを取得できることに魅力を感じてakippaのサービスを利用されて
いる方もおられます。
~カーナビ連携・MaaS参画~
――目的地周辺の駐車場を検索し、予約し、行くという流れから考えると、カーナビとの連携は大事
だと思います。最近のカーナビは音声でも操作出来て便利ですよね。
金谷:カーナビに関しては、デンソーテンさんと連携していて、同社の「ECLIPSE」というカーナビで
はakippaが提供する駐車場情報を検索し、目的地に設定することができるようになっています。
トヨタさんとも提携していまして、同社が進めているTCスマホナビという車載ナビとスマート
フォンを連携させたサービスでは、当社の駐車場の検索・予約ができる駐車場予約機能が導入さ
れています。
今後は音声で予約できるようにして案内してくれる、例えば、「このあたりで空いている駐車場
を予約したい」と言うと、予約・案内してくれるようにしていけるのかなと思っています。この
ほかにも、ナビタイムジャパンさんやYahoo!カーナビさんとも連携し、akippaの予約駐車場を
目的地に選択すると、当社の予約画面に遷移できるようになっています。
――MaaSが話題になっていますが、貴社は福岡で事業参画していますよね。
金谷:トヨタさん、西鉄さんが福岡で行っている「my route」に参画しています。電車・バス・タクシ
ー・カーシェア・レンタカー・サイクルシェア、すべてのモビリティをつないで、スマートフォ
ンでどれが最適なコースか検索して予約までできるというシームレスなサービス体系です。この
サービス体系に駐車場が入っていることが大事だと思っていて、その辺を試しています。マイカー
もしくはレンタカー・カーシェアを利用するルート選択の場合、当社の駐車場を予約できるよう
になっています。このようなサービスを展開するうえでも、取扱い駐車場拠点を拡大する必要が
あり、そのためにもパートナー制度に期待しているところです。
~これからの駐車場とakippaの目指すところ~
――これから駐車場はどうなっていくと思いますか。
金谷:駐車場の役割はこれからもますます増えていくと思っています。CASEということが言われてい
ますが、自動車のあり方も大きく変わっていくなかで、駐車場は、自動運転の乗り合い場所、
充電スポットとしての役割を担うなど、自動運転時代の起点になる。これまでの駐車場需要に
加えてそのような機能が入ってくるので、これからも貴重な業界だと思っています。
――若者の車離れが言われていますが。
金谷:20才代の若者の車に対する行動は、データから読み取ると30才、40才代と比べても低くない。
運転免許取得率も高い。車の保有からは離れているが、レンタカーやカーシェアで出かけている
ので、駐車場に関わるところではあまり変わらないのかなと感じています。マイカーを持ってい
ないと将来的には車の利用頻度は減るかもしれないが、家族ができるなど時間がたてば保有率は
上がっていくと思うところもあり、あまり悲観していません。
――貴社がこれから目指しているところをお聞かせください。
金谷:駐車場の利用形態としては、車を運転している方が今そこで利用する即時利用と当社のような予
約駐車利用のハイブリッドがベストだと思います。例えば、時間貸し駐車場の平均稼働率が5割
で、7~8割を理想の稼働率だとすれば、5割から7~8割に持っていくところのお手伝いをさせて
いただきたい。駐車場事業者とはお客様を集めるという行為としては競合するところもあります
が、駐車場事業者の集客のお手伝いをする駐車場プラットフォーマーであり、駐車場事業者と競
合するビジネスではないと思っています。
今後の展開としては、駐車場シェアとか駐車場検索とか、駐車場に関して何かを調べる時には
“akippa”という世界観を作りたいと思っています。当社ではビジョン、中長期的な経営指針とし
て「あなたの”あいたい”をつなぐ」を掲げています。ユーザーさんの「あいたい」をつなぐのが
一番で、ビジネスとしてとか事業としてとかはその次にくるのです。ビジョンを実現するために、
駐車場の情報がもっとあれば便利だよねという話であれば、そちらの方向に進むでしょうし、駐
車場以外の部分、例えば、モビリティの中に課題があれば、そちらも取り込んだプラットフォー
ムもありかなと考えています。akippaで駐車場を予約するときに車ナンバー入力を未定にするこ
とができます。それは、カーシェアやレンタカーだからナンバーが未定なんです。akippaのアプ
リで、カーシェアやレンタカーの予約ができてしまった方が早いんじゃないかなということであ
れば、それを含めたプラットフォームになっていくと思います。あくまでもユーザーさんがどう
便利に移動するか、どう駐車場をストレスなく見つけられるかというのがすべてで、駐車場だけ
でなく人の移動をより便利で快適にするモビリティープラットフォーマーを目指して、そういっ
たところを強化しようと思っています。
そのためには、駐車場数やユーザー数を増やしていかないとと思っていまして、2022年までに、
駐車場を現在の35,000拠点から20万拠点に、会員数180万人を1,000万人に増やしていくこと
を目指して頑張っています。このような背景もあり、多くの企業と業務資本提携を行っています。
――海外展開については、何かお考えですか。
金谷:住友商事さんに出資いただき提携しており、海外展開について相談をしています。車が増えて駐
車場が課題となるような東南アジアやアフリカが対象になると思っていますが、まだリサーチを
深く行っていません。ようやくリサーチをする人材を獲得したという段階です。こういった国で
は、固定電話がない状況で、いきなりスマートフォンが手元に来たところもあります。駐車場に
おいても、海外にはコインパーキングの文化が定着していませんので、駐車場が足りない時に、
電話と同じようにコインパーキングを飛ばして、いきなり駐車場予約アプリで色々なことが解決
できるようになるのかなと思っています。銀行口座は持っていなくてもスマートフォンは持って
いる。決済のところは現金チャージをすることによってキャッシュレスが実現しているので、ス
マートフォンを使った仕組みがすごく大事なことになってくるのかなと思っています。
~最後に~
――新型コロナの緊急事態宣言の中、akippaの駐車場で野菜を販売するという明るいニュースが報道
されていました。貴社は多くのメディアに取り上げられていますね。
金谷:テレビをはじめメディアがどんな情報を提供したいのか、視聴者がどんな情報を知りたいのか徹
底的に考えて、適切な情報をメディアに伝えるようにしています。1年間で400本くらい取り上げ
ていただいています。
当社では、perk up(世の中に活力を与える)を
もじって、「PARK UP. anytime anywhere.」
というキーワードを使っています。駐車場によって
世の中に活力を与えるという意味合いも込めていま
す。「駐車場」という言葉でネット検索すると事件
ばかり出てきます。適切に情報発信して、明るい
ニュースをお届けしたいということは意識してい
て、野菜販売もそんな意識の表れです。総務省情報
通信白書によると、シェアリングサービス利用経験
の中で駐車場シェアリングが最も多く利用されてい
ます。日本のシェアリングエコノミーを牽引してい
るのは駐車場ビジネスだという自負のもと、「あな
たの”あいたい”をつなぐ」、そして、「PARK UP.
anytime anywhere.」で世の中に活力を与えることに多少なりとも貢献できればと思います。
以上
会社概要
会社名 akippa(あきっぱ)株式会社
代表者 代表取締役社長 CEO 金谷 元気
設 立 2009年2月2日
資本金 20億円(資本準備金含む) ※2019年10月現在
主な出資企業
SOMPOホールディングス株式会社 / 住友商事/日本郵政キャピタル/
JR東日本スタートアップ/ニッポンレンタカーサービス/
FFGベンチャービジネスパートナーズ /中部日本放送 /千島土地/DeNA/
グロービスキャピタルパートナーズ/
未来創生ファンド(トヨタ自動車、三井住友銀行、スパークス)/
トリドール/朝日放送/三菱UFJキャピタル/池田泉州キャピタル 他
拠 点 大阪Office 〒556-0011 大阪府大阪市浪速区難波中2-10-70
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