平成30年春季駐車場研修会参加レポート
研修会参加レポート
株式会社府中駐車場管理公社
副所長 村井 雅一
平成30年春季駐車場研修会が3月2日(金)に開催され、関係者45名の大勢の参加者の中に、株式会社府中駐車場管理公社から私と同僚の関田の2名で参加させていただきました。前日、東京地方は春一番が吹き荒れる暴風雨の天候でしたが、当日は絶好の晴天に恵まれ、春爛漫を思わせる気候の中、集合場所である東京駅丸の内北口に12:45集合、バスで東京流通センターの物流ビルB棟、赤坂インターシティAIRを拝見させていただきました。
巨大物流ビル
<東京流通センター>
まず始めに見学先として向かったのが東京流通センター、当初はどのような場所か建物か見当もつきませんでしたが、普段首都高速道路からしか見えない大きな建物、そこにバスが進んでいくにつれ胸が躍っていきました。
TRC(Tokyo Ryutsu Center)は東京都大田区平和島に位置され、おおきなコンセプト は「人×街×物流」新たな価値と創造の場としています。
一大流通の好立地として陸(東京モノレール・バス・首都高速・環状線等)海(大井埠頭)空(羽田空港)という流通、移動手段がベストロケーションであり、延床面積12万坪を誇る4つの物流ビル、快適な空間の2つのオフィス、人々を魅了する2つのイベントホール、駐車場や各種サービス施設を備え、ひとつの街を形成することで多様なニーズに応えています。また、多彩で高機能な施設を提供し、生命線である物流を全方位からバックアップしており、首都圏や全国、更に世界を結ぶ玄関口として流通機能の一翼を担っているとの説明をしていただきました。
続いて見学したのは中核となる物流ビル、今回はB棟を拝見させていただきました。この物流ビルB棟は2017年7月に竣工したばかりで、この建物の構造と清潔感、圧倒的な大きさに驚かされました。
最小区画160坪、1フロア6,720坪という大規模な大型マルチテナント物流施設は、一拠点に効率よく集約できる構造であり、1階~6階まで10m×11mの柱のスパンと梁下5.5mの大空間、各階大型車対応なダブルランプウェイ式、床耐荷重1.5t/㎡、免震構造、その他防災対策とし て津波対策、帰宅困難者の受け入れ施設として大田区と協定も締結しております。
全区画への歩車アクセスが総計3㎞の外廊下が完全分離されている歩車分離構造という画期的な物流施設でありました。区画毎の防火シャッターを多く取り入れ、開放することで複数区画の利便性を大幅に向上されています。
また利便性ではタッチパネル式案内、各テナントが空調設置等の配線を取り回し出来る外廊下の天井構造、LED照明等利用者の利便性が図られていました。
その後、普段は見学することの出来ない屋上階に移動し、TRCから外の景色を見学することが出来ました。高所恐怖症の私には少し顔色が変わる場面もありましたが、階段を登り屋上階に辿り着くと春を感じさせてくれる心地よい風と、辺りの景色を360度一望出来る景色はとても新鮮で開放的でした。そして圧巻であったのが、この屋上階一面がソーラーパネルとい う環境にも十分配慮した空間でした。環境面ではもう一つTRCと桜というのも象徴されてお り、毎年300本の桜が彩っており毎年よく咲き誇っているようです。機会があれば是非その時期家族で行楽してみたいものです。
超大型複合商業施設
<赤坂インターシティAIR>
最後の見学先として訪れたのは赤坂インターシティAIRでした。溜池山王駅に直結の好立地にあ り、首相官邸とアメリカ大使館が近い赤坂インターシティは、第一種市街地再開発地区であり、オフィスのほか、低層階には飲食テナント、会議室、また 一部住居として利用されている箇所もあるとのことです。今回は会議スペース、オフィススペース、駐車場の一部を拝見させていただきました。
移動中のバスの中で2班に別れ、まず会議室を拝見、印象的だったのが会議と歓談というアクセントでした。12部屋ある会議室は1部屋30~120名対応しており、どの会議室横にも休憩スペース、ケータリング、各所に椅子が設置されており、内装や景観等長時間に及ぶ会議にストレスを感じさせることがなく滞在ができるよう十分配慮されています。会議室には同時通訳やプロジェクター等特徴的なコンファレンスセンター、VIPルームを兼ね備えており海外からの要人にも対応しています。
続いて6階にあるオフィススペースを拝見、オフィスエントランスを2階に設置することで混雑を解消、低層階、中層階、高層階のエリアごとにエレベーターが分離しています。エレベーターゲートにはセキュリティのQRコードが必要です。このQRコードは1回限り1日限りなど、来訪者や労働者に応じて期間や回数等細かい設定が可能となっています。また必要に応じて入場者にはQRコードがメール添付でき、これをプリントすることやスマートフォンでの画面入力でも入場が可能となっています。これにより当日フロントでの手続きが省略出来るようです。調光はLED照明のみならずブラインド自動感応、高層階でも硝子窓のサッシ部分に外気取り入れ口があり停電時にも有用な構造でした。2017年8月に竣工したオフィススペースは殆ど埋まっているそうです。
最後に地下駐車場を拝見、車寄せからオフィスや会議室などに直行できるよう地下1階にも入場ゲートや受付を配置しており、一般車や契約車は地下2、3階となっています。ここは私達と同じ業種ということもあり、精算機や駐車台数、サイン、駐車料金等、熱心に拝見する様子が見受けられました。自走式、機械式の駐車スペースはとてもシンプルで、的確な動線とサインが飾り気無く調和しています。駐車スペースにゆとりがあり落ち着いた感じが印象的でした。駐車場は目的達成のための移動手段として利用されることが殆どであると思いますが、その目的達成のため、気持ちよくサポートしてくれる駐車場であると非常に参考になりました。
駐車場見学を終え、意見交換会が開かれるアメリカ大使館前方面の出口に出ると、赤坂インターシティAIRの緑地ゾーンがあり、イルミネーションや桜並木など、都心の一等地でありながら十分環境への配慮がなされていました。
<意見交換会>
赤坂インターシティAIR内にあるイタリアンレストラン、マウカキッチンにて会食、冒頭伴副会長の挨拶、乾杯の中でオフィスのフリーアドレスの話をして頂き大変に興味深い話から意見交換会がスタートしました。同席となられた方々とナンバー認証やETC、クレジット精算、また駐車協会の保険の話など、有意義な意見交換の場を提供していただきお開きを迎えました。
今回の研修会を通じて滅多に見ることのできない施設、また様々な方からお話を伺うことができ、とても貴重な体験をさせて頂きました。事務局を始めご厚意いただいた皆さんに心より感謝申しあげます。
東京駐車協会様のますますのご発展と、研修会にご参加した皆様のご多幸とご健勝を祈念申しあげ私のレポートとさせて頂きます。ありがとうございました。