情報発信「アンテナ」(第5回)
「駐車場における様々なレス化!」
アマノ株式会社 パーキング事業本部
事業企画推進部 製品企画部
クラウドビジネス推進課
課長 井澤 雅夫
■はじめに
本来であれば、今年の夏は『2020 東京オリンピック/パラリンピック』の開催により、日本中が、
そして世界中が盛り上がる予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で延期となり、これまでに経験
した事の無い自粛の夏を過ごす事になりました。
この自粛によって駐車場ビジネスにおいても、駐車場稼働の低下や売上金の減少に伴い、駐車場の
閉鎖や新規駐車場の開設中止、設備費や運営費の低減など大きな影響が出ています。
こうした中、コロナ対策として、駐車場ビジネスに関わる方々も早急な対応を求められている事と
思います。
今回紹介させて頂く事例は、コロナ対策含め近い将来主流となるシステムやサービスだと考えてい
ます。
すでにご存じの内容も多いとは思いますが、弊社で提供している内容を中心にニュースタンダード
の駐車場システムを紹介させて頂きます。
1.キャッシュレス
国の施策(経済産業省のキャッシュレス推進など)により、日本国内におけるキャッシュレス化は
年々進んでいますが、2016年時点での国内におけるキャッシュレス決済比率(約20%)は主要各国
と比べまだまだ低い状況です。驚く事に、隣国の韓国では95%を超えています。
2018年度の日本国内における消費支出に占めるキャッシュレス決済の比率は約24%、その内の90
%弱がクレジット決済となっています。
日本国内におけるキャッシュレス化は、今後はさらに進み2025年度には、50%を超える見込みと
言われています。
【世界各国のキャッシュレス比率比較(2016年)】
【日本国内のキャッシュレス支払額及び比率の推移(2018年)】
それでは駐車場におけるキャッシュレス化の状況はどうでしょう。
2018年度に約85,000箇所のコインパーキングを対象に調査した結果、約40%のコインパーキング
でクレジット対応がおこなわれている状況でした。
弊社機器をご利用頂いているお客様のクレジットシステム導入件数は、直近の3年間(2017年4月~
2020年3月)では約3倍、利用決済額では約4倍と大幅に増加しています。
今後、電子マネーやQRコード、EC決済、ETCなど様々な決済サービスへの対応がすすみ、駐車
場におけるキャッシュレス化はさらに拡大することが見込まれます。
ここで、2020年2月に市場へリリースさせて頂いた弊社のマルチリーダ搭載型精算機について
紹介させて頂きます。こちらの精算機では、一台のリーダでICクレジット、電子マネー(2020年
11月リリース予定)、さらに将来的にはQRコード決済に対応出来る仕様となっております。また、
屋外対応に加え、車に乗りながら操作できるよう、正面からカードを挿入する構造となっております。
◆◆ 電子決済サービス(クレジット決済)の流れ ◆◆
店舗でのお会計と同様に、直感的な操作でクレジット決済が可能になっています。
駐車場におけるキャッシュレス化のメリットを挙げさせて頂きます。
【駐車場利用者のメリット】
◆現金を持たず駐車場の利用が可能
◆わずらわしい駐車料金の支払い操作が不要(特に出口精算方式の場合)
◆釣銭の受け取りが不要
【駐車場係員のメリット】
◆現金回収作業の削減
◆釣銭補充作業の削減
◆釣銭準備の削減
【駐車場運営者のメリット】
◆精算機の売上金や釣銭の盗難が無くなる
◆駐車料金を柔軟に設定可能(1円単位での設定が可能に)
今後は駐車場におけるETC決済やインターネットを利用した決済(EC決済)などの普及も
考えられます。
キャッシュレス化によるメリットはとても多く、今後さらに市場の拡大が予測されます。
2.サーバーレス(クラウドサービス)
次に、駐車場内にサーバー関連機器などのデータ管理装置を設けず(サーバーレス)、データ
センターで情報を収集し、インターネットを通じて情報を提供するクラウドサービスについて
紹介します。
弊社では、『Parking Web』と言う駐車場クラウドサービスを提供しています。
こちらのサービスによって、今まで現地の駐車場に行かなくてはわからなかった駐車場情報を、
場所や時間を選ばず収集したり、リモートでの監視や保守が可能となりました。
『Parking Web』は、お客様の駐車場とデータセンターをネットワークで繋ぐことにより、
駐車場の状況をWebブラウザで簡単に確認ができるサービスです。データセンターで収集した
駐車場情報は、売上帳票など運用管理に必要な情報や分析に必要な情報を提供する『経営分析
情報サービス』、駐車場の満空や空き台数情報をホームページや案内看板などに情報提供する
『満空/台数情報提供サービス』、駐車場のゲートの開閉やロック板を解除する『遠隔制御サー
ビス』などが有ります。
『経営分析情報サービス』は、駐車場事業者に対し、売上・利用台数情報や駐車場の分析に必要な
情報を提供するサービスです。
サービス内容としては、基本サービスとオプションサービスが有り、お客様の要望に応じた駐車場
情報を提供しています。
オプションサービスは、必要に応じてサービスの追加・削除が容易に行えます。
【基本サービス】
【オプションサービス】『満空/台数情報サービス』は、駐車場の満車・空車の状況情報をお客様のホームページや案内
看板へ提供するサービスです。
駐車場利用者は、駐車場の混雑状況をパソコンやスマートフォン、案内看板で確認することが
できます。
『遠隔制御サービス』は、駐車場のゲートの開閉やロック板の上昇下降の遠隔制御や、精算機
などの機器の状態(エラーやアラームなど)をリアルタイムで監視できるサービスです。『Parking Web』を含め駐車場クラウドサービスについて、メリットを挙げさせて頂きます。
◆インターネット環境があれば、どこでも/いつでも駐車場情報が確認できます。
◆リモートでの制御や駐車場の状態監視ができます。
◆複数の駐車場の情報を一元管理できます。
◆サーバーやパソコンの故障によるデータ消失を回避できます。
◆駐車場管理用サーバーやパソコンの定期的な入替が不要です。
さらに、『駐車場予約サービス』や『駐車場ETCサービス』 などと連携する事でプラスαの
サービス展開が可能になります。
以上のように、『Parking Web』を導入することで、駐車場の運営管理を大幅に改善する事が
できます。
3.ゲートレス、ロックレス
近年の通信技術や様々な技術革新により、利用者の利便性向上やシステム導入費や工事費の低減
を目的としたゲートレスやロックレスの駐車場が増えてきています。
弊社でも、最近プレスリリース(2020年6月)させて頂きました『車番チケットレスシステム』
は、まさにゲートレスやロックレスシステムになります。
こちらのシステムはクレジットカードや、スマートフォンによる電子決済(EC決済)を採用し、
キャッシュレス決済にも対応しています。
駐車場に設置する機器は、車番認識用カメラと照明、事前精算機のみで、ゲートやロック板の
設置が不要となっています。
【車番チケットレスシステム概要】
⑴入出場
駐車場の出入口に車番認識用カメラを設置して、ナンバープレート(車両番号)を撮像し、車両の
入出場管理を行います。
駐車券を使用せず、駐車場出入口にカーゲートを設置しない為、入場時の一旦停止や出場時の出口
渋滞もなく、スムーズな入出場が可能となります。⑵駐車料金の精算
駐車場内に設置している事前精算機に車両番号、または、入場時刻を入力することで、該当の車両
を検索し駐車料金を支払うことができます。
駐車料金の精算は、クレジットカードやスマートフォンによる電子決済(EC決済)を採用し、
キャッシュレス精算に対応しています。
スマートフォンでの決済は、専用の決済サイトにアクセスし、駐車料金の精算ができます。
手荷物が多い時など、わざわざ事前精算機に立ち寄る必要がありません。QRコード(サービス券)
を読み取ることで、割引の処理も同時に行うことができます。
◆◆ スマートフォン決済の流れ ◆◆
直感的な操作でスマートフォンでの電子決済が可能になっています。⑶リモート管理
お客様が通常利用しているパソコンからインターネットを経由して、現在の駐車状況や不正出庫
車両リスト、長期駐車リストなどを閲覧することができます。
ブラックリスト登録機能を利用し不正車両を事前に登録しておくと、該当車両が入場した際に
メールを送信し、通知することができます。⑷コスト削減
設置機器を最小限(ゲートレス、ロックレス)に限定することで、イニシャルコストを削減する
ことができます。
また、駐車券を使用しない為、ランニングコスト削減にも繋がります。 以上のように、『車番チケットレスシステム』は、利用者、管理運営者にとって大きなメリッ
トが有るシステムとなっています。
また、コロナ対策として、現金や駐車券に触れず、事前精算もスマホを利用する事で事前精算
待ちによる密を避けるなど環境面においても利用価値の高いシステムとなっています。
今回紹介させて頂きましたいずれのサービスも、現在の社会のニーズにマッチし、これからの
駐車場サービスのスタンダードになっていく物だと思います。
■最後に
今回は駐車場における様々なレス化を紹介させて頂きましたが、このレス化は、コロナの影響も
有り急激に進んでいると感じます。
私が駐車場関連の仕事に関わってから20年以上になりますが、これだけ大きく駐車場のサービス
やシステムが変わろうとしているのは、初めての事のように思います。
これまで駐車場のサービスやシステムは、どちらかと言えば緩やかな速度で変化して来ましたが、
最近は自動運転技術やETC技術などの先端技術との連携も必要となり、技術レベルも急速に進展
しています。
今後もさらに進化する技術を早く取り入れ、駐車場利用者、管理運営者など駐車場に関わる全て
の人が、安全で安心して利用出来る駐車場サービスをご提供できるよう取り組んでまいります。
以上