全国駐車場整備状況調査2020
当協会では、例年継続的なデータ収集の一環として「自動車駐車場年報」(国土交通省都市局街路交通施設課発表)の一部を抜粋して、全国の駐車場整備状況の把握を行っています。
<平成30年度末と平成29年度末の比較>
駐車場整備状況(全国)
(月極駐車場、住宅の車庫、小規模な路外駐車場等を除く)
平成30年度末の駐車場総共用台数は、都市計画駐車場が若干減少したものの届出駐車場、附置義務駐車施設共に微増となり、530万台を超えた。ここ数年と同様の傾向が続いている。自動車1万台当たりの駐車場台数は14.8台増加の683.6台であった。
国土交通省では、今後の駐車場政策の方向性について、『「量」的整備の時代から「質」的整備の時代へ』として次の纏めがなされている(国土交通省都市局街路交通施設課資料抜粋)。
・附置義務、民間事業者による自主的な駐車場整備により、「量」的拡大が進む
⇒民間によって供給される駐車場により、一定の駐車需要を充足
・まだまだ無くならない違法駐車
⇒求められている場所に駐車場が必要
・駐車需要は乗用車だけではない
⇒ 荷捌き駐車施設、自動二輪車駐車場、観光バス駐車場、バリアフリー化など、多様なニーズへの
対応が必要
・まちづくりと連携した駐車場施策
⇒まちづくり計画等を踏まえた供給量と配置の適正化が必要
・機械式立体駐車場の安全対策
⇒安全性の確保された機械式駐車装置の普及促進が必要
◇ 調査方法 ◇
令和元年8月に国土交通省都市局街路交通施設課が地方整備局等を通じて都道府県及び政令指定都市
の駐車場担当部局に関係資料の収集を依頼し、市区町村の協力を得て平成31年3月末現在でのデータを
集計・整理したものである。
◇ 調査対象 ◇
駐車場の分類は、駐車場法における駐車場の定義によっている。集計の対象とした駐車場は、都市
計画駐車場、届出駐車場、附置義務駐車施設及び路上駐車場であり、特段の断りがない限り、それ
以外の駐車施設(例えば、月極駐車場、住宅の車庫、無料の路外駐車場及び小規模な路外駐車場等)
は含まれていない。
⑴路外駐車場
道路の路面外に設置される自動車の駐車のための施設であって、一般公共の用に供されるものをい
う。
①都市計画駐車場
都市計画に定められた駐車場をいう。円滑な都市活動を支え、都市生活者の利便性の向上、良好な
都市環境を確保するうえで必要な施設として定められる。
平成31年3月末現在、438箇所、約115千台分が整備されている。
②届出駐車場
都市計画区域内において、自動車の駐車の用に供する部分の面積が500㎡以上の路外駐車場でその
利用について駐車料金を徴収するものを設置する者は、国土交通省令で定めるところにより、路外
駐車場の位置、規模その他の必要事項を都道府県知事等に届け出なければならない。この届出を
された路外駐車場を届出駐車場という。
平成31年3月末現在、約10千箇所、約1,878千台分が整備されている。
③附置義務駐車施設
地方公共団体は、駐車場整備地区内等において、延べ面積が一定規模以上の建築物を新築・増築
する者に対し、その建築物又はその建築物の敷地内に自動車の駐車のための施設を設けなければな
らない旨を条例で定めることができる。この条例に基づき附置される駐車施設を附置義務駐車施設
という。
平成31年3月末現在、約73千箇所、約3,348千台分が整備されている。
⑵路上駐車場
駐車場整備地区内の道路の路面に一定の区画を限って設置される自動車の駐車のための施設であっ
て、一般公共の用に供されるものをいう。路上駐車場は、当該地区内にある路外駐車場によっては
満たされない自動車の駐車需要に応じるため、必要な路外駐車場の整備がなされるまでの間の暫定
措置として、道路の路面を使用する形で設置されるものである。従って、当該地区において都市計
画において定められた路外駐車場が整備されるに応じて、逐次路上駐車場は廃止するものである。
平成31年3月末現在、14箇所、601台分が整備されている。
以上